今日はとってもいい天気。
ぽかぽか太陽、さわさわそよ風、いい気持ち。
おや、あそこにいるのは猫のシロですね。木陰でのんびりお昼寝中。
その脇を走り抜けていったのは、ネズミのポロ。
おやおや、シャベルなんて持ち出して何するつもりなんでしょうか。
茂みの中に入っていきます。キョロキョロ周りを見回して──
あーっ、落とし穴です。いけませんね。
あっという間に掘り終わりました。随分と慣れてます。きっと何度も掘ったことがあるのでしょう。
ポロは木の後に隠れました。
息を大きく吸って──
「大変でチュ! 茂みの中にサンマがいっぱいいるでチュよ!」
「サンマ!?」
シロはがばっと起き上がりました。食い意地張ってますね。
でも、確か茂みの中は──
「ニャ~~~~~!?」
ああ、あっさり落ちちゃいました。
やれやれ、猫なのにドジですね。
「やったでチュ!」
ポロは嬉しそうです。
「ウニャ~」
シロは泥だらけ。
「深いニャ……これじゃ出れないニャ。おーい、誰か助けて~!」
少し深すぎたようです。
穴の底ではシロが情けない声で助けを呼んでいます。
──困りました。ちょっとしたイタズラのはずが、大変なことになってきました。
「どうしよう……ポロだけじゃ助けられないでチュ」
その時、ポロの頭に冷たいものが、
大変です! 雨が降ってきました。
穴の中に水が溜まっていきます。
シロは猫なので水が大嫌い。当然泳げません。
「ウニャァァァァァ!」
どんどん水かさが増えていきます。
「あああああ、ポロが悪かったでチュ。シロ~!」
絶体絶命のピンチです。
ああ、シロはどうなってしまうのでしょう。
あっぷあっぷと必死に手足を動かしながら、大きく口を開いて──
「口からビームニャ!」
ちゅどーん
・
・
・
「ふう、助かったニャ」
「ポロのことまで吹き飛ばさなくてもいいじゃないでチュか……ポロが悪かったんでチュけど」
無事助かってよかったですね、シロ。
ポロもあんまりイタズラばかりしちゃ駄目ですよ。
以上、「ビームは漢のロマン」というお話でした☆
……あれ?
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シロとポロの、ある日の話。
へーのき様、ありがとうございます!
『耳小屋』 ※書いてくれたへーのきさんのサイト